手術当日。長い一日。(その1)
とうとう手術の日(2011年2月2日)が来ました。
今日は私の第二の人生の始まりの日です。
お母さんは分娩の痛みを乗り越えて出産します。
私も一回死んでまた誕生するわけで,それは痛みを伴うのです。
まあそれは今だから言えることで,その時はそれどころではなく緊張していました。
眠剤でしっかり眠ったので体調は万全です。
しかし手術前の眠剤はなんであんなにぐっすり眠れるのでしょう。
3回手術しましたが,3回とも手術前日はよく眠れました。
睡眠剤としてマイスリーをもらってたまに飲んでいますが,手術前の眠剤はマイスリーよりも強力です。
話を戻して。
朝の検温等のチェックを済ませてベットでじっとしていると,旦那がやってきました。
そしてこの辺りから私の記憶がないのです。
旦那が「おう。」と病室に入ってきた映像しか私の頭に残っていません。
どうやって手術室に運ばれたかわからないのです。
まだしっかりと起きていたはずなのにここら辺の記憶が飛んでいるのです。
そしていきなり私の記憶は手術室で硬膜外麻酔をしているところに飛んでいるのです。
硬膜外麻酔とは背骨と背骨の間の硬膜というところに管を入れて麻酔薬をつないで,術後に持続的に注入する麻酔の事です。
この処置は手術前の意識のある時に行いますので,当然痛いです。
しかしこの麻酔のおかげで術後の痛みをコントロールできるので,本当にありがたい麻酔なのです。
この処置のために横を向いて背中を思いっきり丸めてエビのような姿勢になります。
そして,局所麻酔をした後,何やらチューブを背骨のところから入れているような嫌な感じがして,じっと耐えていると「ハイ終わりました」と言われて解放されます。
しかしこの直後,「はい。では本格的な麻酔に移ります。」と言われてマスクをしてからは記憶がありません。
患者側からはここまでが体感していることで,これ以降は全くわからないということです。