手術当日。長い1日。(その2)
つくばM病院では「はい。手術終わりましたよ! 起きてください!」と言って肩をたたかれて目覚めさせられるのですが,東大病院は違っていました。
というか東大病院での手術で私は不思議な体験をしたのです。
うまく伝えられるかわかりませんが書いてみます。
主治医で執刀医のS先生の大きな声が聞えます。
なにか冗談を言っているようです。
冗談の合間に「生食○○ml!」とか指示を出しているようです。
本当にざわざわとやかましくテレビで見るしんとした手術中の感じではなく,電車の中のざわめきのような感じです。
注意して聞いていると,男性は2人くらい女性はもっといるようです。
その後なぜか旦那の声がより近く大きく聞こえました。
旦那と看護師さんが次のような会話をしていました。
旦那:「この斑点が出たり消えたりしています。」
看護師さん:「ほんとですね。たぶんアレルギー反応のようなものだと思いますが。」
旦那:「あっ。見てください! スーッと消えました。」
看護師さん:「ほんとですね。消えましたね。」
旦那:「あっ。また出てきた。うわーっと出てきますね。」
看護師さん:「出たり,消えたりを繰り返すようですね。」
以上の会話が聞こえてきたのです。
私の身体のどこかを見ながらこの会話をしていることがわかりました。
後で聞いたのですが,この看護師さんと旦那の話は実際その通りの話をしたとのことでした。
しかし,その話は手術直後でぐっすり眠っていたとの事です。
それよりも驚いたのは,その前のS先生を中心とした騒々しいざわめきは手術中,あるいは手術終了直後ではないかということなのです。
そのことを教えてくれた看護師さんは「でも,そんなことはあり得ないのできっと何かの勘違いでしょう。」とおっしゃいました。
私の勘違いかもしれませんが,でもあのざわめきは今でも覚えているのです。