病院の花嫁は愛されている(その2)
とてもかわいい若い娘。
この娘さんをみんなが真剣に愛していて,その熱さが伝わってきます。
このお母様は最後にこのようなことをおっしゃいました。
「でも,娘は結婚できて本当によかったです。娘は嫁いだのです。彼氏に感謝しています。」
この言葉を言い終わって,目にハンカチを当てていました。
私はなぜか泣けませんでした。
収支のつかない気持ちが行き所がなくて爆発しそうでした。
硬膜外麻酔を抜いて痛みが常にあるからか,痛みとこの爆発しそうな気持で気持ちが悪くなりました。
お母様にさよならを言って病室のベットに戻りました。
なるほど隣のベットには彼氏が来ていました。
私はベットに倒れこんでじっとしていました。
すると彼女と彼氏の笑い声が聞こえてきました。
彼氏が何か言って彼女がふふっと笑っていました。
笑い声を聞いているうちに気持ち悪さは引いてきました。
痛み止めを飲んで少し落ち着いた頃に,先ほどのお母様が顔を見せました。
「ごめんなさいね。具合が悪くなったのですか?」
「私は今日初めて自分の気持ちを言葉にして自分の気持ちがわかりました。」
「聞いてくださってありがとうございます。」
このようにおっしゃってくださいました。
とても若い可愛い娘。
この娘さんは結婚して次のステージに行ったのでした。
周りの人々は全力で支えているのです。
でもこれは結局私も一緒です。
若くないおばさんですが,周りの人たちは全力で支えてくれているのです。