天命。しかし実行できない(その2)
このブログを書き始めたのが3年前の4月。
東大病院で3回目の手術をしてから7年たっていました。
天命を知ったのになぜすぐに着手しなかったのか?
それはあなたがもし重い病気,あるいは重大な問題を抱えていたら分かると思います。
この心理がきっとわかるはずです。
重大な出来事があったあとは,そこにとどまりたくないのです。
そのことを考えたくないのです。
全くそんなことがなかったかのようにふるまいたくなるのです。
そのことを考えると苦しい感情がよみがえり,またあの状態になってしまうのではないかという強烈な不安が襲ってくるのです。
私はこの東大病院での3回目の手術以降,結果的に再発しませんでした。
従って完治したわけです。
しかし,最後の手術から5年たって術後の癒着による腸閉塞になってしまいました。
そして流動食生活になりまた東大病院にお世話になることになります。
腸閉塞事件からの立ち直りはとても早かったです。
1年間腸閉塞で苦しみ,何とか治まったとわかってから1年でこのブログを書き始めましたから。
東大病院での最後の手術から,腸閉塞までの5年間にやれることはいっぱいあったのです。
しかしなぜかできなかったのです。
私は癌だったことをなかったかのようにして大学で実験の仕事を始めたのです。
内省によって得られた「計量してなにかを作る」という正確性の求められる職業につくことができて私の魂は喜びました。
しかし,心の片隅では内省によって得られた私の天命「癌の体験を伝える」をいつかやらなければと思っていました。
深くて辛い経験をした場合は人に伝える気持ちになるまでに長い時間がかかるのです。
本当は闘病ブログとしてリアルに伝えていくと,今現在闘病中の人に大きな恩恵を与えることができるでしょう。
しかし,私はできなかったのです。
7年たった今,やっとあなたに伝えることが出来ました。