子育てと闘病を両立する方法。

大腸がんステージⅣの闘病と子育てを両立させ最終的に完治した闘病記を記します。

ICUでは時間の流れが違う(その2)

私は前しか見れなくて自分の身体がどのような状態になっているのかわかりませんが,立たされたのです。

「え?立ってるの?私」

と困惑していたら看護師さんが

「足を一歩前に出してみてください」

とおっしゃったので右足を出してみました。

すると簡単に右足が前に出たので,左足も出してみました。

こんな感じで歩き始めました。

看護師さんたちは私を必死で支えながらも,

「あっ。すごいですね。やっぱり若いから歩けるんだ。」

とうれしいことを言ってくださりました。

もうこの歩きの時間は至福の時間で一生歩いていたいと思ったのに,

「この辺で終わりにしましょう。無理は禁物ですから。」

と至福の歩きはあっけなく終了してしまいました。

この後また無限ループに入ってしまいました。

のろのろと遅い時間の流れにうんざりとしていたら,突然看護師さんの声がしました。

「下半身を洗浄しましょうね」

と言ってさっさとお湯で下半身を洗浄してくれました。

お湯の感覚がものすごく新鮮でまた至福に時間を満喫していましたがこれもあっけなく終わってしまいました。

この下半身の洗浄はいつも手術後は行っていたのですが,今回はこの後困ったことになってしまいました。

この困ったことはまた後で書きます。

至福の下半身洗浄が終わって,また時間の流れが異常に遅い苦痛の時間になりました。

延々と苦痛の時間を耐えていると,やっと

「歯磨きしましょう」と声をかけてくれました。

手術のたびに思うのですが,この状態で歯磨きするのは凄く大変です。

それに歯磨きって大手術に対してなんかどうでもいい感があるのでどうしてやるのかな?と思っていました。

でも以上に遅い時間の流れ地獄から一瞬解放されるので歯磨きウェルカムでした。

少しだけ起こされて,歯を看護師さんが磨いてくれて,むせそうになりながら口を漱いでおしまいです。

歯磨きなんてと思っていますが,やるとさっぱりしてこれから夜だという合図にもなってまあいいのかもと思いました。

そして昨晩のように地獄のような夜の時間になるのですが,点滴に眠剤を入れてくれるので少しぼーっとしてきます。

「ありがたい!このまま眠れたらいいのに」

と思いながら夜の時間は続くのです。

ICUでの生活,状態,感じ方は人それぞれです。

私が感じたことはこれから手術をしてICUに入るあなたには全く参考にならないと思います。

実際私も3回の手術でそれぞれICUの生活は違いました。

感じ方も全く違います。

しかし,日常と全然違う時間の流れがある事は間違いありません。

一般病棟の入院とも違います。

非日常という意味では海外旅行などとは比較にならないほどです。

監獄に入れられたことがないのでわかりませんが,それに近いのではと思います。

しかし,ICUは看護師さんの温かい目が降り注がれているので監獄とは雲泥の差でしょうが。