子育てと闘病を両立する方法。

大腸がんステージⅣの闘病と子育てを両立させ最終的に完治した闘病記を記します。

癌。ICUから一般病棟へ。ものすごいかゆみ。

前回は手術前後とICUでの様子を書きました。

手術前後とICUに関してはこちら(リンク)↓↓↓

 

calendura2009.hatenablog.com

 

 

calendura2009.hatenablog.com

 

ICUから一般病棟に戻るとそこは個室だったり4人部屋だったりしますが,とにかく空気が変わります。

空気が緩くなるのです。

ICUにいるときは夜でも薄暗い程度で看護師さんが動き回っている感じですが,一般病棟では夜は消灯して静かになります。

私の場合,はっきり言ってICUの方が何倍もよかったです。

一般病棟に移ったからってフル装備が外れるわけではありません。

その上看護師さんはあまり気にかけてくれなくなります。

でも依然としてナースコールを握る手しか自力で動かせるところはなく,こんな状態でほっとかないで!と叫びたくなります。

一般病棟に移ってから日中は私の母が来てくれるようになりました。

病室にテレビがありますが,顔を横に向けられないので全く意味がありません。

冷蔵庫もありますが,飲んだり食べたりできないので全く意味がありません。

これならICUにいたかった!!と何回も思いました。

母がずっといてくれますが,特にやることもなく,なんか申し訳ないな~と思っていました。

でもそんな状態は束の間で,私は一般病棟に移ってから2日目で大変な事になったのです。

これまでの人生でこんなに痒かったことはないと思うほどの強烈な痒みが全身に広がったのです。

びっくりして母に訴えると母はすぐに看護師さんを呼んできました。

看護師さんは

「それじゃあ,かゆみどめの軟膏を出しますね」

と明るく言いましたが,この言葉に私は絶望しました。

かゆみ止めとかゆるい言葉で済ましてほしくないほどの痒みなのに全然伝わらないのです。

身体の中が痒い感じなのに表面にかゆみ止めを塗っても何の改善にもなりません。

痒いってすごく辛いんだとこの時初めて知りました。

アトピーの人とかものすごく辛いんだ・・・と思いました。

これまでの痒みはゴミくらいの痒みで,しかも痒ければ掻けばいいのです。

今は生き地獄のような痒みでしかも私が自力で動かせるのは指でナースコールを押せるだけなのです。

気が狂うほどの痒みなのだと訴え続けようやく看護師さんたちもこれはちょっとひどいねと思い始めました。

麻酔科の先生がやってきて,これは麻酔の影響かもしれないとおっしゃいました。

それでこの手術以降,全身麻酔の薬が少し変わったようで(カルテに書かれているので),3回目の手術の時は逆に術後の痛みで苦しみました。

話を元に戻して・・・。

麻酔の影響と言われてもその痒みに対する対処法はなく,結局全身を保冷剤で冷やしてみようということになりました。

するとなんと,かゆみが少し治まってきたのです。

これはいい方法だ!ということで保冷剤をいっぱい持ってきてくれて全身を冷やしました。

ずっと冷やすとよくないので保冷剤を付けたり外したりが私の母の仕事となりました。

母は仕事ができて逆に元気そうにいそいそと交換作業を続けてくれました。

私も痒みが半減して安らかな気分になりました。

私の唯一の楽しみの歩く練習も本当に楽しめるようになりました。

フル装備で看護師さんと母に支えられて歩く練習をするのですが痒い間は気持ちがイライラしてチューブを引き抜きたい感覚に襲われました。

でも痒みが少し治まるといろんなことが楽しめるのです。

そうこうしているうちに2,3日が過ぎ,少しづつチューブが取れていきました。

また,かゆみはどんどん治まり保冷材もいらなくなりました。

この1日,1日回復していく感じがたまらなくうれしくて,「生命力」ってこういう喜びなんだなと実感しました。

いやー,ホントに大騒ぎの数日間でしたが今思うと大騒ぎしてもいいんだと思いました。

患者なんですから。

意味もなく愚痴ばかり言うのはご法度ですが,つらいときは「辛い!」と訴えるべきです。

スルーされても訴えるべきです。

ずっと言い続ければおや?結構ひどいのかな?と感じてくれます。

このようにして一般病棟の第一関門は超えるのです。

それからこの時期から食事が徐々に食べられるようになるのです。

私にとっては1.5か月ぶりの食事でした。

食べるってしあわせ!と感じました。

第一関門を超えたら後は退院まで快適入院ライフを満喫できます。