子育てと闘病を両立する方法。

大腸がんステージⅣの闘病と子育てを両立させ最終的に完治した闘病記を記します。

至福の時間に不安感が襲ってくる。(その2)

私はすべてがそうです。

楽しい旅行に行っても半分が終わると帰る日の寂しさで悲しくなってしまうのです。

3泊4日の旅行なら2泊目朝,悲しみが始まるのです。

小学校の時も日曜のお昼に悲しみが始まるのです。

どんなに楽しい事も終わりがあります。

ああ話がそれてしまいました。元に戻します。

家で至福の時間を過ごしていたのに何が心配になってきたのか。

それは今後の治療の事です。

今回の手術の直前に「肺にも転移しているので近いうちにまた手術をする」と言われました。

この事実がひたひたと忍び寄ってきたのです。

その時の私の頭の中には闇のような深い黒い苦しみの塊が2つありました。

一つは「肺の手術」。

もう一つは「抗癌剤」。

この2つを客観的に比べると,「抗癌剤」の方が深くて大きな悲しみでした。

そうなんです。

私にとっては手術は前向き,抗がん剤は後ろ向きだったのです。

手術は挑戦,抗がん剤は絶望だったのです。

この状態で私の気分が上向きになるシナリオは,

「肺の手術を近いうちにやるので,それまで抗癌剤はなし。」

というシナリオです。

しかし考えてみたらこのシナリオはかなり可能性が高いです。

なぜなら,私の抗癌剤にはアバスチンが含まれています。

アバスチンは血管再生を阻害するので,これから手術というときには使用できません。

こう考えると暗い気持ちになっていたのが少し明るくなってきます。

どんなに私が全身全霊で考えても,なるようにしかならなくて,その最終通知は2週間後の外来で知らされるのです。

そう考えると残りの1週間,至福の時間を全神経をフル活動させて味わい尽くすぞと思いました。

そう思っていてもすぐに不安感に陥りますが,それでもそのたびに「考えても仕方ない」と至福の時間を味わうことに全神経を傾けました。