6回目の抗がん剤を受けたのに。(その2)
月曜日には1階に降りてくる力も出てきて,吐き気も少し治まっているのです。
月曜の夜,子供たちが寝た後で旦那に「どういう策になった?」
と聞きました。
するとなんということでしょう!
「え?何の事?」
という返事だったのです。
悲しみで涙が出そうになりましたが,実はうすうす気が付いていました。
子供たちの送り迎えと仕事と家事でそんなことは考える時間はないだろうと思ってはいたのです。
でも「え?何の事?」
と言われるとさすがに悲しくなりました。
「だから策だよ」
「なんの策?」
「6回目受ける前に話したよね」
「手術の件だっけ」
「それで転院してとか話したじゃん」
「ああ,どの病院にするかの話ね」
やっと旦那は思い出したのです。もう何なの!
「じゃあどうすんの?」
「今考える」
旦那はしばし黙っていましたが,やっと口を開いて
「やっぱりネットとか本とか素人が調べても限界がある。」
「やっぱり医療関係者でないと。」
「5回目の抗がん剤後の白血球チェックの時,6回目の抗癌剤の前の診察,点滴受けてるとき,I先生との会話,思い出せるだけ全て再現してみて。」
それが何になるのだと思いながら,
「白血球チェックの時は,少し白血球が低くて・・・。」
「いや,そうではなくて雑談とか,診察に関係ない事で何かない?」
と言われて,しばし私も考えました。
I先生と何か話をしたっけ?
I先生は癌学会に行ったとか看護師さんが言ってたな。
それで予定がずれるかもとか言いながら予定通り抗癌剤受けたんだったな。
フォルフィリ+アバスチンすごく効いてる,とも言ってた。
それで私が手術の事を聞いたら,いや手術は無理だけどと言っていた。
この話をしたら,旦那は
「ちょっと待って!!。癌学会!?」
「ああ。いい手を思いついた。こうしよう」
と言って素晴らしい策を考え出したのです。
この策によって私は後に東大病院に転院する事になったのです。
次回この策はどういう策なのかお話します。