至福の時間に不安感が襲ってくる。(その1)
3回目の手術は大手術でした。
術後の辛さも初めの2回と比べるとかなり辛かったです。
退院してからも大量の膿が出て40℃の熱が出て,電車で東大病院に通いました。
しかし,3日通ったらもう来なくていいとT先生に言われました。
点滴は飲み薬で,処置も家で何とかやってみろということでした。
幸い膿は出ていますが,最初の時ほど大量ではなくなったので私でも何とかできそうです。
ということで2週間後に外来で,それまで家で処置になりました。
この2週間は真の意味で「幸せ」を感じました。
旦那がいる。
子供たちがいる。
実家の母がいる。
晴れの日は気分よく子供たちを送り出し,
雨の日は心配しながら子供たちを送り出す。
みんな学校や職場に行ったあと,新居浜おばあちゃんの働いている音がする。
洗濯機の音をバックに,食器や鍋を洗っている水のしぶきの音が聞こえる。
それらの音が鳴りやみ,鳥のさえずりだけが聞こえてくると,コーヒーの香ばしい香りがかすかに漂ってくる。
「コーヒーでも飲むで?」
と新居浜おばあちゃんの声が聞こえる。
下に降りて行って,コーヒーを飲みながらとりとめのない話をする。
「そろそろ上でやすまんかい。」
という母の声で,上に行ってベットに横になる。
午前の至福の時間です。
この至福の時間を2週間いっぱいぎりぎりまで味わえばいいのに。
半分が過ぎ去ったところで不安が頭をかすめました。