CVポート埋め込み手術
前回はアバスチン+フォルフォックスをCVポートを用いて行うことを書きました。
今,あれから10年経って,子供たちも大きくなりましたので,先日聞いてみました。
「お母さんの抗癌剤の時,みんな大変だったよね?」
と聞くと,
「え?そうだっけ。ずっと家にいたじゃん。ご飯作ってたし」
とあっさり言われて拍子抜けしました。
子供ってそんなものです。
お母さんが家にいたら特に困らないのです。たとえ薬でぐったりしていても。
CVポートの埋め込み手術は局所麻酔で行いましたがかなり痛かったです。
手術室に自分で歩いて入るのは面白い体験でした。
実は今年の正月にCVポートを抜く手術を行いました。
最後の手術から5年たって完治したと考えられるからです。
ポートを入れてもらった病院にはその時の主治医のI先生は異動でいなかったので最後の手術をした東大病院で抜いてもらいました。
その時先生は,「CVポートを抜く手術は自分は初めてだし,病院全体でもほとんどいない。みんな亡くなってしまうからね。」
と言っていました。
やっぱり私は凄い生命力なんだと認識しました。
心の中で「死から生還した母」という称号を自分に与えました。
ところで今はCVポートはあまり使われていないようです。
今の大腸癌の化学療法は益々進化しているようです。
なので今回の話は今闘病しているあなたにはあまり意味がなかったですね。
ごめんなさい。
CVポートのいいところばかり書きましたが,実は今となって言えますが,半分はつらかったのです。
それは抗がん剤で苦しいのに自宅で子供たちと接しなければいけないという点です。
そういう意味では入院した方が余計な気遣いをしなくていいので気分は楽です。