主治医は特別な人。でも・・・(その2)
あなたには大切な子供と旦那さんがいるのです。
今,病院という閉鎖空間で,神(主治医)や天使(看護師)に囲まれて,辛い闘病をしています。
しかし,あなたはそう遠くない将来,病状が良くなるかあるいは悪くなるかで,その場所から離れる運命なのです。
その病室での時間はほんの一時なのです。
あなたにとって大切なのは,最も大切なのは,あなたの家なのです。
あなたは家に帰るのです。
その時,神も天使もいなくなります。
いつも思考の先には,今の居心地の良さよりも,その先の自分の本当の居場所での暮らしを考えていてください。
重い患者でいつまでもあなたの主治医にしがみついていると,病状が悪くなったとき主治医を恨むことになります。
軽い患者になって,あなたの主治医を振って,新しい主治医に心変わりをするくらいでちょうどいいのです。
このようなことを私に言ってくれる人はあの時はいませんでした。
私はI先生との別れがとても辛かったのです。
I先生は私が小さい子供たちの母であることを考慮した,診察や,治療,スケジュールを考えてくれる人でした。
I先生と別れたら,子供を考慮した治療などできなくなる。
その上つくばから東京は遠いので,いったいこれからどうなるのだろうという不安でいっぱいでした。
でもものすごく強い力の流れに乗ってしまっていてもう降りることはできない感じでした。
その強い流れを探し当てたのは自分(と旦那)でしたし,飛び乗ったのも自分でした。
だからもう私はその流れに乗っていくしかないと覚悟しました。
しかし,このような流れに乗る前に,このような流れを拒否する人もたくさんいます。
私もあのまま重い患者でI先生から離れられなかったら,今はもう死んでいたでしょう。
死んでから3年ぐらいたった感じでしょうか。今は。
もう一度言います。
重い患者ではなく軽い患者でいてください。