子育てと闘病を両立する方法。

大腸がんステージⅣの闘病と子育てを両立させ最終的に完治した闘病記を記します。

とうとう手術前日

今日は手術前日。

朝食はありましたが,昼食から食事なしでした。

昨日最後の晩餐と思ったけど今日この朝食が最後の晩餐でした。

最後の晩餐後の最後のコーヒーが飲みたいなと思っていると,回診の時間になってざわざわとにぎやかになってきました。

しかし,どうして先生方はあんなに声が大きいのでしょう。

回診の時に私がいつも感じるのは,弱者と強者の感覚です。

先生方は全くそんな気持ちはないのですから私(患者)のひがみです。

回診時に「ははーっ。」という弱者を演じてしまうのです。

でもまあ,ここで難しいことを言っても皆が困るだけなので,この回診時は「ははーっ。」でいいのかなと思います。

ああ。思い出しましたが国土先生は物静かでした。

声も小さかったです。

先生の声が大きいとはおそらく私のひがみでしょう。

一人一人先生と接すると普通の人なのです。

回診の時の先生の団体が,強い団体に見えてしまうだけなのでしょう。

話をもとにもどして・・・。

回診が終わって看護師さんに

「最後のコーヒーが飲みたいのですが,下のタリーズに行ってきてもいいですか?」

と思い切って尋ねました。

看護師さんは少し困った顔をしましたが,「早めに行ってきてください」と許してくれました。

私は大急ぎでカーディガンをはおり,1階のタリーズに行きました。

何にするか悩みましたが,当分コーヒーが飲めないのだから,やはりブラックでしょうと思いブラックを頼みました。

首からチューブを付けてスタンドを押しながら,それでもコーヒーを頼んでいる自分の姿を滑稽だと思いました。

コーヒーカップを受け取り,朝なので空いている店内で席を決めて座りました。

最後のコーヒーを五感全て使って味わうぞと思い,香り,熱さ,味,色,口に入れた後の余韻を味わいました。

十分に味わって,もうこれで思い残すことはないと満足して病室に戻りました。

この後,若い先生が腕と鼠蹊部から採血をしました。

その他簡単な処置をしたり,麻酔科の先生が説明に来たりして夜になりました。

看護師さんから眠剤を渡されて飲みました。

明日いよいよ手術なのです。

今だから言えますが,この東大病院での手術によって私は完治でき,人生が変わるのです。

この手術が全人生の転機だったのです。