子育てと闘病を両立する方法。

大腸がんステージⅣの闘病と子育てを両立させ最終的に完治した闘病記を記します。

医師たちの動きをじっと見て元気になる。(その2)

そんなことを考えていると,T先生が回診前にやってきました。

「CVポートの周りが炎症を起こしていないかCTを取りたいので朝食は食べないでください。」

「一応朝食取り消しにしましたが直前だったので伝えに来ました。」

「CVポートが原因ならば,手術をして取り出します。」

「大丈夫ですよ。大手術ではないので。局所麻酔で取り出せます。」

このように話して去っていきました。

朝食を食べずにじっとベットで寝ていると,回診でざわざわしてきました。

ざわざわ度が大きかったので,今日は国土先生がいらっしゃる回診なのだとわかりました。

予想通り,国土先生が現れて,その後ろにパソコンのを持っている先生がいて,その後ろにT先生とS先生がいて,その後ろに他のチームの先生が5,6人いました。

大名行列のようです。

国土先生は,

「おや。熱が出て退院延期ですね。」

とパソコンを見ながらおっしゃいました。

そこに割り込むようにT先生が入ってきて,

「CVポート関連でCT待ちです。」

とおっしゃいました。

国土先生は,「採血データー見せて。」と小声で言って,小声でT先生と何やら話し出しました。

国土先生は穏やかな先生で,声も静かなのです。

「うーん。白血球下がってきているのでCTはいいんじゃない? 撮らなくても。」

とおっしゃっいました。

T先生は,

「はい。わかりました。」

と返事をされて,私に小声で「朝食すぐ手配するね。」とおっしゃいました。

こんなやり取りをしているうちに,なんだか私も日常の自分に戻ってきました。

熱が40℃ですが,意識が上向きになると気分が違います。

また,「周りに気配りをしつつ自分の事を進める」おばさんに戻りました。

何かいいことがあったわけではありません。

しかし,T先生やS先生や国土先生や看護師さんたちが,それぞれの仕事をしているのを見ているうちに気分が良くなってきたのです。

あなたはそんなことありませんか?

誰かが働いているのを見て,自分も頑張ろうという気持ちになることが。

大したことない小さな自分でも一生懸命に日常を生きるといい気分になるものです。