ICUで溺れそうな感覚に。(その1)
無限ループにはまってしまったような感覚に陥り,ひたひたと忍び寄る恐怖にじっと耐えていました。
「もう2時間ほどたった。そろそろ朝だ。」と思ってもまだ朝が来ません。
「もう2時間ほどたった。そろそろ朝だ。」と思ってもまだ朝が来ません。
「もう2時間ほどたった。そろそろ朝だ。」と思ってもまだ朝が来ません。
おそらく2分位が2時間位に感じていたのでしょう。
このICUが海で私は息継ぎしたいのに出来なくて溺れそうな感覚に陥ります。
もう永遠にこのベットの上で身動きが取れないのだろう,と絶望的になったその時,
「朝ですよ。先生方が回診に来ますから顔をこちらに向けてみましょう。」
という看護師さんの天使のような声が聞えました。
「とうとう翌日になったんだ! 素晴らしい!!」
ざわざわした話声がだんだん大きくなってきて,
「おはようございます! いい感じですね。数日ここにいてから一般病棟に行きましょう。」
とT先生が大きな声で話しかけました。
私は自力で顔を横に向けることが困難なので,目だけでT先生の声の方を見てT先生を確認しました。
T先生の後ろに大勢の人々が見えましたが,目だけで遠くを確認することはとても難しく誰なのかわかりませんでした。
この時私のちょうど前にもう一人の患者がいることを知りました。
目の端にその女性が映ったのです。
私のその体勢(寝ている状態)でなぜその女性が見えたかというとその女性は体を起こしていたのです。