大変な手術。東大病院だからこそ。(その1)
今日は一般病棟に移る日なので旦那は来ると漠然と思っていました。
そのような話をどこでしたのかわからなく,ぼんやりしていました。
さっき看護師さんが買ってきてくれた2本の水のペットボトルがベットの机にポツンとありました。
やることもないのでペットボトルをじっと見ていると部屋がざわざわしてきました。
看護師さんと違う制服の女性がやってきて「お食事です!」と言ってお膳を置いていきました。
私は「え?お食事?どういうこと?食べれるわけないでしょう。」
と困惑しましたが,身動きが取れないのでそのままにしていました。
すると「おっ。ここにいた。」という旦那の声が聞えました。
やはり思った通り旦那は来てくれたのです。
旦那は「え?汁2つとアイスが置いてあるよ。食事ってこと? 食べれないでしょう,その状態で。」
と言いました。
私は食事の不自然さよりも気になっていることを旦那に訴えました。
東大病院は水を自分で買わなければいけないこと,そしてお見舞金の1万円で買ってきてもらったことを告げました。
私の訴えを聞いて,旦那はお金,水,その他もろもろのかたずけをしてくれました。
そしておもむろに,
「このアイス,もったいないな,俺が食べる。」
と言って食べ始めました。
その時,T先生とS先生がやってきて,
「あっ。ここに移ったんですね,あっ。旦那さんアイス食べてるんですね。水は飲んでもいいですよ。では。」
と言って去っていきました。
昨日までICUの無限ループのような沈黙の時間の中でじっと耐えていたのが懐かしいほどの急展開です。
あれこれと忙しく周りはどたばたとしています。
しかし,ハッと気づきましたが私はじっとしたままなのでした。