いよいよ一般病棟へ(その2)
私は頭を殴られたようにぐらぐらして思考がちぎれちぎれでまとまりませんでした。
こんな感じです。
「水を飲むとか無理。
水を買うとか無理。
水を買ってきてもらうとか無理。
お金持ってないし。」
そうです。
これまで入院はつくばM病院だったので水とお茶は配られていました。
また,何か欲しいものがあれば旦那が面会に来たときに買ってもらってたので現金は持っていませんでした。
しかし,ここは東京です。つくばとは距離があります。
旦那もしょっちゅう来るわけにはいきません。子供たちもいるし。
ああ。どうしよう。頭が働かない・・・。
私は黙っていると看護師さんも困ると思ってとりあえず現状を話すことにしました。
「えっと。あの。買ってきてもらいたいですが。お金が。あっ!!」
そうです。M子が手術前にくれたお見舞金がそのままカバンに入っていることを思い出しました。
M子のお見舞金に関してはこちら(リンク)↓↓
「そういえばカバンの前ポケットにお金が入っています。」
と言うと,看護師さんはカバンをごそごそして,
「あっ。ありました。これですね。袋から出して使いますね。」
とおっしゃってすぐに買いに行ってくれました。
しばらくして戻ってきて,
「2本買ってきました。おつりは袋に入れておきます。今日はご主人が来る日ですね。後はご主人に片づけてもらいましょう。」
とおっしゃいました。
これから自宅から離れたところにある大病院で大手術をするあなたへ伝えたいことがあります。
想像してください。
あなたの周りに便利な家族はいません。
あなた一人でこの病院で過ごすと考えていてください。
そしてあなたはチューブに繋がれ身動き一つ取れません。
この場合最も大切なことは何でしょう?
そうです。
感じの良い患者になることです。
全て看護師さんのお世話になるのです。
感じの良い患者は何でもいいなりの患者とは違います。
伝えたいことは的確に伝えるのです。
もし全く身動きの取れない状態で,背中の一部がものすごく痒くなったとしましょう。
数分我慢してそれでも痒くてたまらないときは看護師さんに告げるのです。
「痒いぐらい我慢しよう。感じのいい患者にならなければいけないから。」
お母さんってこのように考えてしまうんですよね。
子供の世話は一生懸命するのに,自分のことは後回しだから。
でも,入院しているときはあなたは子供なのです。
ましてやチューブでつながれて身動きできないときは,ある意味赤ちゃんです。
赤ちゃんはかわいいのでお母さんは世話をするのが嫌になりません。
あなたも感じのいい患者ならば,看護師さんは世話をするのが嫌にならないでしょう。
だから不都合があれば我慢せずに看護師さんに言っていいのですよ。
入院中はあなたはお母さんの役から離れるのです。
それから一応現金も持っておきましょう。
病院によって違うかもしれませんが,私はM子がくれたお見舞金が大活躍でした。