医師たちの動きをじっと見て元気になる。
一晩中高熱で翌日になっても熱が下がりませんでした。
早朝に看護師さんが来て採血をして,その後うとうとしていました。
いつもなら,周りに気配りをしつつ自分の身支度を整え,やるべきことをサクサクとやっていっている時間です。
この時期,「周りに気配りをしつつ自分のことを進めていく」という行為に喜びを感じていました。
点滴チューブのスタンドを押しながら,やれることはできるだけ早くやっていました。
例えば朝の体重測定はいつも一番でした。
私は時間通りに,出来れば時間前に,几帳面に正確にやるべきことをやっていく事が大好きなのです。
こんなにおばさんになってしかも入院中に自分の特性に気が付きました。
それはおいておいて・・・。
その日は私の特性からは考えられないくらい何もしませんでした。
硬膜外麻酔を抜いた直後の痛みがきついときにも「気配りしつつ自分のことを」に集中していたのに。
なぜだろう。熱があるだけなのに。
昨日まで猛烈に動いていたのに。
ああそうか。
現実に戻ってきたのか。
退院が延期になったことで,改めてシャバに戻ることを考え始めたのか。
今,監獄で模範囚人のごとく日々のお勤めに邁進していたけど。
私は近々シャバに出ていくのだ。
今,少し延期になったけど,確かに近い将来シャバに出ていく。
そして,また抗がん剤が始まり,その後は肺の手術が近づいてくる。
今回の手術は想像していたものをはるかに上回る厳しいものだった。
肺の手術はおそらくここまで大変ではないとしても,やはりまたあの手術を受けるのは億劫だ。
4回目の手術ということになる。
こんな感じで,退院後の不安が退院が延期になったことで急浮上してきたのです。