子育てと闘病を両立する方法。

大腸がんステージⅣの闘病と子育てを両立させ最終的に完治した闘病記を記します。

生きることは苦

結局熱の原因は手術部の炎症でした。

傷口から出ているドレーンの先のボトルにどんどん黄色い液体がたまっていきました。

血液データーは表に見える症状よりも早く出るのでしょう。

熱も下がってなくて,ドレーンの液体も真っ黄色ですが,白血球値は下がってきました。

CVポートの炎症ではなかったので手術はなくなりました。

後から考えると,あの時CVポートを取った方がよかったです。

5年後に取ることになるのですが,癒着がひどすぎてすごく大変でした。

その話はまた後でするとして。

原因がわかったので,心配は不要となり,私には時間が与えられました。

「シャバに出る前によく考えとけ」

神様がそういっているようでした。

「何を考えるのですか?」

「さあそれはわからん。」

「いいから考えろ」

というわけで,私は有り余る時間を内観に費やすことにしました。

こんな感じです。

私は幼いときは内気で母が大好きだった。

引っ越しが多くでしかも変わった苗字で注目されることが苦痛だった。

食が細く肉が食べられなかった。

思春期の頃は注目されることに苦痛を感じなくなった。

なんでも食べられるようになった。

大学時代の彼氏と結婚した。

子供が生まれた。

子育てで必死だった。

そして癌になった。

うーん。

癌になって不幸だ。

なんで私だけこんな目に合わなければならない。

なんで私だけこんな目に合わなければならない。

ああ,ダメだ。またこのサイクルに入るので少し違う角度から考えると。

癌になって不幸だ。

では,癌になる前は幸福だったのか。

うーん。

幸福だったのは間違いないがその幸福を体感していたか?

いや。体感していなかった。

では,幸せを感じている時間はどれくらいあったのか?

子供を産んだときは本当に幸せを実感した。

旦那と付き合うことになったときも幸せを実感した。

しかし待てよ。

「あー幸せ!」と思った時間ってそれぐらいではないか?

子供は3人産んだので,旦那と付き合うことになったのを含めて4回だけだ。

信じられないくらいもったいないことをしたものだ。

しかし,今やり直せるとして「あー!幸せ!」を毎日実感することができるだろうか?

癌になったことを覚えたまま戻れば可能だ。

しかし,本当に時間が戻るだけならば,また同じ生活だろう。

お釈迦様が「生きることは苦だ」とおっしゃったことは結構当たっているかもしれない。

こんなことを5日間ずっと考えていました。