3回目のフォルフィリ前にご褒美が。(その2)
先生にやめたいことを言おうかどうか頭がぐるぐるしていたのですが,名前を呼ばれたので診察室に入りました。
やっぱりやめたいと言う!と決意したその時,
「今日はできないね。白血球低すぎるから。来週に延期しましょう。白血球を上げる注射をして帰ってください。」
と言われました。
「え?」
「だから来週に延期ですよ。」
「え?」
握りしめていた水を落としてしまいました。
先生に言おうと思っていた言葉を飲み込んで診察室を出ました。
今この時から1週間天国の時間となったのです! いきなり予告もなく。
もう上の空でとにかくKさんに迎えに来てもらいました。
Kさんに関してはこちら(リンク)↓↓
kさんは17時ごろと思っていたのに,午前中に電話があったのでびっくりしながらも来てくれました。
車の中でKさんに「この1週間がとてもうれしくてご褒美のようだ」と言い続けました。
白血球が低いので家から出れませんがまさに地獄から天国に上り詰めた感覚でした。
家に帰ってこの1週間どのように過ごそうか考えました。
3日分のカレーは作っていましたが,家族に美味しいものを作ってやりたいと思いました。
それから,パンを焼こうと思いました。
私は幼稚園のバザーで「美味しいパンを焼く人」としての評価を得ていました。
癌になってパンを全く焼いていませんでしたが,久しぶりに焼いてみようと思いました。
いっぱい焼いて闘病でお世話になっている人たちにプレゼントしようと思いました。
自分では出ていけないので取りに来てくれる人に差し上げようと思ったのです。
このタイミングで頼んでいた本が本屋に届いたと連絡がありました。
パンを焼く合間にこの本も読もうと思いました。
とにかく旦那に電話をしました。
「今日抗癌剤中止になった!白血球低いから。だから病院に迎えは来なくていいよ。帰りに本屋へ寄って本をもらってきて。」
と超明るい声で伝えました。
もう本当にうれしくてたまらなかったのです。
そしてこのうれしさの中で一つ決心しました。
「来週は3回目の抗がん剤を受ける。4回目はわからないけど3回目だけは受ける!」
そしてこの日の夕食に何を作ったか忘れてしまいましたが,少し手の込んだものを作って家族5人でワイワイと食べて,夜旦那が本屋で受け取ってきてくれた本を少し読みました。
この本が,この後の闘病に関して急激な流れを作る基盤となったのです。