東大病院での大手術。きつい。(その2)
トイレに自力で行くのもそうです。
これまでは何とか行けましたが,今回は起き上がるのを助けてもらわなければ絶対に行けません。
また,毎日消毒の作業があるのですが,痛すぎて気絶しそうです。
身体からチューブが出ていて液を排出しています。
今回は胸の横からもチューブが出ているのですが,このチューブを抜くときも気絶しそうでした。
しかも抜いた後で胸水がたまってきて,胸水を抜く処置をしたのですが,この処置もとても痛かったのです。
毎日何らかの問題が発生して処置をするといった感じです。
1日を生き抜くのがとても大変なのに,3日目の朝,病室を移動しました。
ナースステーションから一番遠い4人部屋でした。
かなり辛い状態だったのですが,もう「病状の軽い人」になってしまったのです。
トイレには何とか自力で行けるようになっていましたが,チューブがスタンドの機械に2本つながっており,自力での移動は大変でした。
シャワーは自力では無理だったので,別室で髪を洗ってもらっていました。
しかし,この部屋に移るとなんとなく自力でシャワーを浴びる感じなのです。
無理ならいいですよ,と看護師さんは言ってくださいますが,なんとなく自力でと感じてしまうのです。
そんな感じでついて行けない自分が情けなく,自分のことでいっぱいいっぱいだったのです。
しかし,ふと周りに目を向けてみました。
いえ。同室の3人とは挨拶もしたし,誰だかわかっているのですが,そういう意味ではありません。
この3人の方の生活を観察してみたのです。
そして,何を感じ,何を考えているか,洞察してみたのです。
この経験は貴重でした。
何年もたった今でも,たまに思い出し自分に喝を入れています。
まるで映画のような,でも映画ではなく実際に私の横で起こっている事実なのです。
このことを次回書きます。